社長歳時記 2023年9月

  • 投稿日:

  • カテゴリー:

「BGMの重要性」

 知り合いの趣味の部屋で話していると楽器の練習が始まりました。  私たちと楽器奏者は目隠しのような壁を挟んでいますが、距離は 2m程度なので、お互いの音は、ほぼそのまま聞こえてきます。  
 
演奏される練習曲は聞きなれた唱歌だったので、私たちのたわい のない会話のBGM としては、まあまあ合っていました。  
 
そんな中、知り合いの青年が訪ねて来たので挨拶をかわしたので すが、普段と違い険しい表情で、私たちの一人に話があるというのです。  

 そばで二人の会話を聞いていたのですが、どちらが悪いわけでも なく、些細なすれ違いが、大きな誤解を生んでしまっているようでした。  

 一方、壁の向こうの奏者は楽器の音で隣の様子には全く気付かな いのか、激しい口論で一触即発かと思える緊張感の中「トットロ、トッ、 トロ~♪」と軽やかに「となりのトトロ」の演奏を始めてしまいました。  

 この場にはあまりにも不似合いな曲に吹き出しそうで外に出ました。  

 外でしばらく待って出て来た彼の表情は、まだこわばっていました が、なんとかお互いの誤解は解けたと、聞かされホッとしました。  

 翌日、彼に「BGM 気になった?」と聞くと僕も熱くなりながら「今こ こでトトロか~って思ってました」と言ったので二人で大笑いです。  

 あの場面はベートーヴェンの「運命」ジャジャジャジャーンだった ら、もっとエキサイトするので、あえて「となりのトトロ」にしたのかも。

 どっちにしても最高の選曲ミスだったな~。めでたし、めでたし。