社長歳時記 2026年6月

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「ネタがないとはいえ」
 あっという間にひと月が経ち、社長歳時記の締め切りが迫り、頭を抱えていたある日のことです。

 午後に予約している歯医者に行く時間が迫っていました。 急いでいましたが、食後だったので洗面台に向かい、チューブを手に取って磨き始めました。

 すると、いつもと違う味に手が止まりました。 慌てて老眼鏡をかけ、チューブの裏面を読むと、なんと小さく「洗顔料」の文字が。

 「あ~、こんな時に」と独り言をつぶやきながら、改めて歯磨き粉で磨き直しました。 口をゆすいで急いで洗面台をあとにしたとき、ふと気づいてしまいました。

 「しまった。あのまま磨き続ければ歳時記のネタになったのに」。

 そう思い始めると居ても立ってもいられず、私は洗面台に引き返していました。

 そして、「洗顔料で歯を磨くとどうなるのか」という好奇心が抑えきれず、歯ブラシにつけて磨き始めました。

 さすがに二度目なので味への驚きはありませんでしたが、まるでカニのように口いっぱいにあふれ出す泡の量には感動しました。

 しかし、鏡の中の自分の姿を見て、改めてガッカリしました。こんな間違いは二度とないのに、なぜすぐに気づいてしまったのかと。

 そんな後悔はさておき、検証結果を発表します。

 爽快感はやっぱり歯磨き粉の勝ち。でも泡立ちは洗顔料に軍配が上がりました。(あくまでも個人の感想です)

 ぎりぎり滑り込んだ歯科医院では、衛生士に検証結果を話す気満々でした。

 ところが治療がすぐに始まり、ずっと口を開けっ放しだったため、結局、話しそびれてしまいました。

 ネタがないとはいえ、我ながら情けない。(良い子はマネしないようにね)