社長歳時記　2025年4月

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「そんなところに」

　愛護施設の駐車場に来られた女性が、猫の鳴き声が聞こえると自分の車の下を覗き込んでいます。 　

　野良猫かもしれないと私も探 したものの見当たりませんが、 確かに近くから「ニャー」と聞こ えます。 　

　車の周りを調べていると、ふ と暖かいエンジンルームに猫が 入っていたという話を思い出し たので、念のためボンネットを 開けてくれと頼みました。 　

　いる訳がないと思いながら開 けると、まさしく暖まったエンジ ンの上に猫が座っています。 　

　猫と目が合い、お互いが驚い ていると、猫はいきなり飛び降 り、目の前の国道に走り出しま した。 　

　交通量の多い片側2車線の道 路を、猛スピードで斜め横断す るので、何度も車に轢かれそう になり、私たちは悲鳴を上げな がら見守るだけです。 　

　なんとか猫は無事に道路の 向こう側に辿り着いた様子に、 一同ホッとしました。 　
　ところが女性の口から今、走 り去った猫は私の飼い猫だと聞 かされ、更に驚きました。 　

　猫は3kmほど離れた家の駐 車場でエンジンルームに入り込 み、そのままここに来たようで す。 　

　すぐに飼い主さんと逃げた方 面を捜索、迷い猫のチラシもポ スティングしたものの、有力な 情報は得られません。 　

　もう見つからないのかと半ば 諦めかけていた一週間後、猫が 帰ってきたと飼い主さんから連絡 をもらい、本当に安心しました。 　

　今回の一件で猫にとっては冬 の寒さも大問題なのですが、一 番の大敵は道路の横断だと実 感しました。 　

　道路で猫を見かけたら「この 猫はニャニャめ横断をするかも しれニャイ」と「かもしれニャイ 運転」をお願いします。